【2025年最新】P-MAXのデバイス除外設定ガイド|無駄な広告費を削減しROASを最大化する実践的手法

Google広告のP-MAXキャンペーンは、AIによる自動化でコンバージョンを最大化してくれる強力なツールです。
しかしその一方で、「細かいコントロールが効かない」「特定のデバイスからの無駄なクリックが多い気がする」といった悩みを抱えている運用担当者の方も多いのではないでしょうか。
「スマートフォンからのアクセスは多いのに、一向にコンバージョンに繋がらない…」
このような状況では、貴重な広告費が浪費されている可能性があります。
この記事では、P-MAXキャンペーンの無駄な広告費を削減し、ROAS(広告費用対効果)を最大化するための「デバイス除外」設定について、具体的な手順から応用的な戦略までを徹底解説します。
- P-MAXのデバイス除外設定で、成果の悪いデバイスへの配信を停止・抑制できます。
- デバイス以外にも、プレースメントやキーワードの除外設定を組み合わせることで、さらに配信精度を高められます。
- 除外設定はデータに基づいて慎重に行い、設定後も効果検証を続けることが成功の鍵です。
この記事を最後まで読めば、あなたもP-MAXの自動化を味方につけつつ、運用の主導権を取り戻し、確かな成果向上を実現できるでしょう。
P-MAXにおける「除外設定」の戦略的重要性

P-MAXキャンペーンの成果を最大化するためには、AIによる自動最適化にすべてを委ねるだけでは不十分です。
広告主が手動で行う「除外設定」こそ、AIの能力を最大限に引き出し、より高い広告効果を生み出すための重要な鍵となります。
除外設定は、単なるコスト削減策ではありません。
これは広告配信の精度を高め、ROASを最大化するための重要な「守りの施策」なのです。
自動化のブラックボックスに潜む「広告費の浪費」リスク
P-MAXはコンバージョン獲得を最優先に動くため、時にコンバージョンに繋がりにくい配信先へも広告費を投下してしまうことがあります。
例えば、情報収集目的のユーザーが多いデバイスや、誤クリックを誘発しやすいモバイルのゲームアプリなどが典型例です。
こうした意図しない配信先に広告費が使われ続けると、気づかぬうちに大きな損失を生んでいる可能性があります。
除外設定は、このような「広告費の浪失」という蛇口を閉めるための不可欠な作業です。
「守りの施策」としての除外設定で運用の主導権を取り戻す
除外設定は、無駄な広告費を削減するだけでなく、ブランドイメージを守る「ブランドセーフティ」の観点からも極めて重要です。
企業のブランドイメージにそぐわないWebサイトやアプリへの広告掲載は、長期的に見てブランド価値を毀損するリスクをはらんでいます。
不適切な配信先をあらかじめ除外することで、広告主は安心してP-MAXキャンペーンを活用できます。
AIと協調しながら広告運用の主導権を取り戻す、その第一歩が除外設定なのです。
【関連記事】ブランドセーフティとは?成功事例と実践対策であなたのブランドを守る!
【実践】P-MAXのデバイス除外、具体的な設定手順を3ステップで解説

それでは、実際にP-MAXキャンペーンでデバイス除外を行うための具体的な手順を解説します。以前はGoogleの担当者への依頼が必要でしたが、現在は管理画面から直接設定が可能です。
以下の3ステップに沿って進めれば、初心者の方でも迷わず設定を完了できます。
Step 1. 設定前に確認必須!デバイス別パフォーマンスの分析方法
除外設定を行う前に、必ずデータに基づいた分析を行いましょう。
「なんとなくスマートフォンは成果が悪そう」といった感覚的な判断は、大きな機会損失に繋がりかねません。
まず、Google広告の管理画面で以下の手順でデバイス別のパフォーマンスを確認します。
- 対象のP-MAXキャンペーンを選択します。
- 左側のメニューから「レポート」 > 「事前定義レポート(詳細分析)」 > 「デバイス」と進みます。
- 表示期間を「過去30日間」など、十分なデータが蓄積されている期間に設定します。
ここで、デバイスごとの主要な指標を確認します。
上記の例では、スマートフォンは費用が最もかかっているにも関わらず、CPAが著しく高く、ROASが低いことが一目瞭然です。
このような明確なデータがある場合に、除外設定の検討を進めます。
Step 2. 管理画面から簡単!デバイス除外のステップバイステップ解説
デバイス別の課題が明確になったら、いよいよ除外設定を行います。
以下の手順で進めてください。
- Google広告アカウントにログインし、対象のP-MAXキャンペーンを選択します。
- 左側のナビゲーションメニューから「設定」をクリックします。
- 「その他の設定」を展開し、「デバイス」の項目を選択します。
- 「ターゲティングを設定」を選択すると、デバイス(パソコン、モバイル、タブレット、テレビ画面)の一覧が表示されます。
- 分析結果に基づき、除外したいデバイスのチェックを外します。
- 最後に「保存」をクリックして設定を完了します。
この操作により、チェックを外したデバイスへの広告配信が停止、または大幅に抑制されます。
Step 3. 【2025年最新情報】仕様変更の歴史と現在の機能
P-MAXのデバイス除外機能は、アップデートを重ねて使いやすさが向上しています。
最新の状況を把握しておくことが重要です。
- 〜2025年4月まで: デバイス除外はGoogleの担当者への依頼が必須で、広告主が自由に行うことはできませんでした。
- 2025年5月〜: 仕様が変更され、広告管理画面から広告主が直接デバイス除外設定を行えるようになりました。
- 2025年7月〜: デバイスごとの詳細なパフォーマンスレポート機能が強化され、より精緻なデータに基づいた意思決定が可能になりました。
このように、P-MAXは運用者がより細かくコントロールできるよう進化を続けています。
デバイス除外だけじゃない!P-MAXで可能な除外設定一覧と設定方法

P-MAXの配信精度を高めるためには、デバイス除外だけでなく他の除外設定も組み合わせることが非常に効果的です。
ここでは、P-MAXで利用可能な主な除外設定とその目的を一覧でご紹介します。
プレースメント除外(特定のWebサイト・アプリ・YouTubeチャンネル)
「レポート」メニュー内の「P-MAXキャンペーンのプレースメント」から、広告が配信された具体的なURLやアプリ名を確認できます。
もし成果が著しく悪い、または自社のブランドイメージにそぐわない配信先が見つかった場合は、「アカウント単位の除外リスト」を作成し、適用することで配信をブロックできます。
これはブランドセーフティを確保する上で非常に重要な設定です。
キーワード除外(キャンペーン単位・アカウント単位)
P-MAXでも、従来の検索広告と同様に除外キーワードの設定が可能です。
「検索語句インサイト」などを参考に、明らかにコンバージョンに繋がらない語句(例:「無料」「中古」「とは」など)を除外しましょう。
キャンペーン単位で直接設定する方法と、複数のキャンペーンに適用できる「アカウント単位の除外キーワードリスト」を活用する方法があります。
ブランド除外(自社ブランド名での表示を制御)
P-MAXがブランド名検索(指名検索)のクリックを多く獲得してしまい、既存の指名検索キャンペーンの成果を正しく評価できないケースがあります。
このような場合、「ブランドリスト」を作成し、自社ブランド名などを登録した上で、P-MAXキャンペーンの除外設定から適用することで、ブランド名検索での表示を抑制できます。
その他のアカウント単位の除外設定(IPアドレスなど)
競合他社からの調査クリックや、社内からのアクセスなどを防ぎたい場合は、アカウント設定からIPアドレスを除外することが有効です。
頻繁に利用する機能ではありませんが、特定のIPからの無駄なトラフィックが確認できる場合に活用しましょう。
失敗しない!除外設定を成功させるための3つの注意点

除外設定は強力な機能ですが、使い方を誤るとかえってパフォーマンスを悪化させる原因にもなります。
ここでは、設定を行う際に必ず守るべき3つの注意点を解説します。
注意点1:データに基づかない安易な除外は機会損失に繋がる
「なんとなくモバイルは成果が悪そう」といった感覚的な判断で除外設定を行うのは非常に危険です。
必ず、CPAやROASといった客観的な指標に基づき、十分なデータ量(例えば、数百クリックや数十件のコンバージョンなど)を確保した上で判断しましょう。
一時的なパフォーマンスの低下に惑わされず、長期的な視点でデータを分析することが重要です。
注意点2:除外設定後のパフォーマンスを必ず効果検証する
除外設定は「設定したら終わり」ではありません。
設定を適用した後、キャンペーン全体のコンバージョン数やCPA、ROASが意図した通りに改善したかを確認する必要があります。
また、特定のデバイスを除外したことで、全体のリーチが大幅に減少し、総コンバージョン数がかえって減ってしまった、というケースも考えられます。
設定後、少なくとも2週間〜1ヶ月はパフォーマンスを注意深く観察しましょう。
注意点3:リーチへの影響を考慮し、設定は定期的に見直す
特定のデバイスを除外するということは、そのデバイスを利用している潜在顧客へのアプローチ機会を完全に失うことを意味します。
市場のトレンドやユーザーのデバイス利用状況は常に変化します。一度行った除外設定が、未来永劫にわたって最適であるとは限りません。
四半期に一度など、定期的に設定を見直し、必要であれば除外を解除するといった柔軟な対応が求められます。
【独自情報】それでも止まらない無駄クリックの正体とアドフラウド対策

ここまでの除外設定を丁寧に行っても、なお「原因不明の無駄なクリックが減らない」「ROASが改善しない」という壁にぶつかることがあります。
その原因は、人間による正規のクリックではなく、プログラム(ボット)によって生成される「アドフラウド(広告不正)」かもしれません。
【関連記事】アドフラウドとは?広告詐欺・不正広告の種類や仕組み、対策の成功事例を解説
人間によるクリックではない?巧妙化する「アドフラウド」の手口
アドフラウドとは、広告収益を不正に得ることを目的とした詐欺行為です。
- ボットによる自動クリック: プログラムがWebサイトやアプリを巡回し、広告を自動でクリックします。
- MFA(Made For Advertising)サイト: 広告収益を得ることだけを目的に作られた、中身のないWebサイトに広告を大量掲載し、無効なトラフィックを発生させます。
これらの不正なクリックは、広告主の予算を食い潰す深刻な問題となっています。
【関連記事】MFAサイトの正体とは?Spider AFの独自調査を交えて解説
P-MAXも標的に。不正クリックがROASを悪化させる仕組み
P-MAXの優秀なAIアルゴリズムも、巧妙なアドフラウドを「正規の成果」と誤って学習してしまうことがあります。
不正なクリックや、場合によっては不正なコンバージョンを成果として認識すると、AIはさらにその不正な配信先への広告費投下を強化してしまいます。
これにより、広告主が気づかないうちにROASが悪化し続けるという負のスパイラルに陥る危険性があるのです。
【事例】Spider AF活用で不正リードが激減!IBJ社のROAS改善例

アドフラウド対策は、通常の除外設定だけでは限界があります。そこで有効なのが、アドフラウド対策ツール「Spider AF」の活用です。
婚活サービス大手の株式会社IBJ様では、P-MAXキャンペーンにおいて、Spider AFの不正検知サービスを導入しました。
このように、専門ツールを活用することで、P-MAXの自動最適化をクリーンな状態に保ち、広告効果を正しく最大化することが可能になります。
【関連記事】不正リードの削減で、インサイドセールスの負担を軽減して働き方を改善する
【応用編】ROAS最大化へ!「守り」と「攻め」の最適化戦略

最後に、P-MAXのパフォーマンスをさらに引き上げるための応用的な考え方をご紹介します。
それは、これまで解説してきた除外設定という「守りの施策」と、ターゲティング精度を高める「攻めの施策」を戦略的に組み合わせることです。
「守り」の除外設定で広告配信の土台を固める
本記事で解説してきたデバイス除外やプレースメント除外は、広告費の浪費を防ぎ、効率的な広告配信を行うための「土台作り」です。
この土台をしっかりと固めることで、広告予算が本当にコンバージョン見込みの高いユーザーに届けられるようになります。
この盤石な土台があってこそ、次の「攻めの施策」が真価を発揮します。
「攻め」のオーディエンスシグナルでターゲティング精度を高める
「攻めの施策」の核となるのが「オーディエンスシグナル」です。
これは、P-MAXのAIに対して「どのようなユーザーにリーチしてほしいか」というヒントを与える機能です。
- 自社の顧客データ: 既存顧客のリストをアップロードする。
- カスタムオーディエンス: 特定のキーワードを検索したり、特定のURLにアクセスしたユーザーを設定する。
- 類似オーディエンス: 既存顧客と似た行動をとるユーザー層に拡張する。
これらのシグナルを適切に設定することで、AIはより早く、より正確に優良顧客を見つけ出せるようになります。
【関連記事】P-MAXオーディエンスシグナルとは?成果を出すための最強設定&活用ガイド
ターゲティング設定(年齢・地域など)の見直しも忘れずに
デバイスという軸に加えて、年齢、性別、地域といった基本的なターゲティング設定も見直しましょう。
特に、BtoBビジネスのようにターゲットとなる顧客層が明確な場合は、これらの設定を絞り込むことで、さらに広告の費用対効果を高めることが可能です。
【関連記事】P-MAXのターゲティング完全ガイド|AIを使いこなし成果を最大化する設定術
まとめ:P-MAXを使いこなし、広告効果を最大化しよう
本記事では、P-MAXキャンペーンにおけるデバイス除外設定を中心に、広告費の無駄をなくし、ROASを最大化するための具体的な手法を解説しました。
P-MAXは決してコントロール不能なブラックボックスではありません。
- データに基づいた「守り」の除外設定で、広告配信の土台を固める。
- 精度の高い「攻め」のオーディエンスシグナルで、優良顧客へのリーチを加速させる。
この2つのアプローチを組み合わせることで、広告主はAIと協調しながら、主体的にキャンペーンを成功に導くことができます。
まずは第一歩として、ご自身のアカウントのデバイス別パフォーマンスレポートを確認し、無駄な広告費が発生していないかチェックすることから始めてみてください。