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MFAサイトの被害は約2兆円規模、広告費の15%を占める結果に。海外の調査レポートから読み解く

MFAサイトの被害は約2兆円規模、広告費の15%を占める結果に。海外の調査レポートから読み解く
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2023年6月に全米広告主協会のANAは、「プログラマティックメディア サプライチェーンの透明性調査」を公開し、その中でMFAサイトに関する驚くべき結果を明らかにしました。今回は、その調査レポートのMFAサイトに焦点を当て詳しく解説していきます。

【調査概要】

調査の対象市場:880億ドル(約13.2兆円*)の世界市場であるオープンウェブのプログラマティック広告

調査期間:2022年9月から2023年1月

調査会社:PwC US、TAG TrustNet、Kroll

調査データ:広告費1億2300万ドル(約185億円*)、355億インプレッション

*1ドル=150円換算

Jounce Mediaによると、2022年のグローバルデジタルメディア支広告費の76.8兆円(総広告費の65%)は、検索、ウォールドガーデン(Meta、TikTok、Snapなど自社プラットフォームを持つSNSメディアなど)、オープンウェブプログラマティック広告の3つの大きなカテゴリに分けられます。今回の調査の焦点は後者にあります。

MFAサイトはインプレッションの21%を占めており、広告主がメディア配置の決定を制御できていないことが判明

MFAサイトは、調査のインプレッションの約21%、広告費の15%を占めていました。

MFAサイトは、興味を引く見出し、クリック誘引、挑発的なコンテンツを使用して訪問者を引き付け、ページビューを生成します。これにより、サイトの所有者に広告収益が発生します。低品質なコンテンツを特徴とし、ポップアップ広告、自動再生ビデオ、侵入型広告を使用して広告収益を最大化する場合があります。調査の結果、4,500の既知のMFAサイトを検出しました。

MFAサイト例
一見すると通常のウェブサイトのように見えるが、記事は生成AIで作成した偽コンテンツと疑われるもの。実際に企業の広告も配信されており、スクロールするとさらに他の広告も確認できた(Spider AF 独自調査)

さらに驚くべきことに、プライベートマーケットプレイス(以下、PMP)では、MFAサイトに14%も浪費されていました。PMPは、メディアと広告主を限定することで信頼できる広告配信枠・広告品質を担保できるのですが、その中にMFAが混在していたのです。

MFAサイトの二酸化炭素排出量は通常の26%増、持続可能な広告業界のために

調査レポート内では、MFAサイトは金銭的な問題だけでなく、恒久的な広告業界の発展へも影響すると述べられています。

プログラマティックエコシステムは急速に成長し、エネルギーを消費するため、環境に負の影響を与えています。サプライチェーン全体での全ての広告のリクエストと表示は、二酸化炭素を生み出します。サプライチェーンが長く、広告枠数やベンダー、SSPが多ければ多いほど、その排出量は高くなります。

特にMFAサイトは、平均サイトよりも多くの二酸化炭素を生み出します。それは、ページごとに多くの広告があり、SSP、DSP、広告ネットワークなどの需要源にできるだけ多くの広告呼び出しを行うためです。新しい業界団体であるScope3によると、MFAサイトの炭素排出量は、非MFAインベントリよりも26%高くなります。

広告主が取るべきアクションとは?

広告主は、MFAサイトが全体の広告キャンペーンの重要な部分を占める可能性があることを認識する必要があります。MFAサイトが自社のブランド適合性基準を満たしているかどうか、コンテンツとユーザーエクスペリエンスに関して確認し、キャンペーンにMFAインベントリを含めることへの許容度を明確にする必要があります。
プログラマティック広告には、「除外」リストではなく「含有」リストを持つことをお勧めします 。(MFAサイトが約4,500あるため除外リストでは対応しきれません)

生成AIの悪用でMFAサイトは急増しています。調査にもある通り、まずは広告主がしっかりとこの状況を認識し、MFAサイトへ浪費するのをやめましょう。お金の流れを断ち切らない限り、MFAサイトは“楽に稼げるコスパの良い手法”と見なされ、ますます蔓延してしまいます。個々のウェブサイトを人力で確認するのは大変な作業ですが、第三者配信ツールを活用することで、広告配信状況が簡単に把握できます。Spider AFでは、MFAサイトを多数検知しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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