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リスティング広告のキーワード選定方法を解説|NGキーワードに要注意
リスティング広告の出稿する際にはキーワードを選定する必要があります。キーワードは、エンドユーザーとマッチするための大切なポイントです。エンドユーザーに広告を配信するためには、最適なキーワードを正しく選定し、登録する必要があります。
当記事では、リスティング広告のキーワード選定方法について詳しく解説。リスティング広告の費用対効果を高めたい方にとって必見の内容です。
リスティング広告におけるキーワードの重要性
リスティング広告において、キーワード選定は非常に重要です。キーワード次第で、広告の成否が決まるといっても過言ではありません。
リスティング広告は登録したキーワードと、検索したユーザーのキーワードが一致したり、関連性があったりすると広告が表示されます。
見当違いのキーワードを設定してしまうと、広告が関係のないユーザーに届いてしまうため、成果を上げるのは困難です。
広告を出したいサービスや商品に対して、どれだけ適切なキーワードを選べるかが成果を分ける重要なポイントとなります。
リスティング広告のNGキーワードに注意
リスティング広告のキーワードには、使用してはならないNGキーワードが存在します。
NGキーワードを設定してしまうと、広告の審査落ちや、商標を保有する企業から取り下げ要請を受ける可能性が高いです。
場合によっては、訴えられて裁判沙汰に発展することもあるため、注意しましょう。
主なNGキーワードは「会社名・商標名」「著作権の侵害」「最上級表現」の3点です。
会社名・商標名会社名や商標登録されている名称は使用NGです。商標権侵害とみなされ、広告の取り下げ依頼などトラブルに発展する恐れがあります。著作権の侵害著作権には「著作権人格権」と「著作権(財産権)」があり、どちらも使用してはいけません。著作権を侵害してしまうと広告の審査を通過できない可能性が高く、通過できたとしても訴えられる可能性があります。
参考:文化庁 著作権
最上級表現客観的な裏付けデータのない「人気1位」などの最上位表現はNGです。景品表示法で不当表示として処罰を受ける可能性があります。
キーワード選定の手順
ターゲットユーザーの検索意図にマッチさせるには、キーワード選定の手順が重要です。その方法を、順を追って解説します。
ヒアリングした後にメインキーワードの候補を決める
まずは、リスティング広告を出すサービスや商品について、深く理解する必要があります。
そのためには、開発者や営業担当者へのヒアリングが非常に有効です。
ヒアリング内容は主に次の4点。
- サービスや商品の詳細
- ターゲット(ペルソナ)
- 自社の強み
- デメリット(弱み)
また、担当者の1次情報の他にも、1.5次情報として販売サイトやSNSなどで、購入者の評判も調査します。
続いて、軸となるメインキーワードの候補をいくつかに絞ります。キーワードは商品のジャンルや特徴など幅広いニーズに対応できるものが良いでしょう。
例えば「北海道産の有機野菜を使用した野菜ジュース」が商品なら「野菜ジュース」「有機野菜ジュース」「有機ジュース」「北海道産ジュース」「北海道野菜ジュース」などが候補にあがります。
そして、この中から、検索ボリュームや自社の商品、エンドユーザーのニーズに応じてメインキーワードを決定します。
具体的なキーワード選定の方法は後述しますので、今は流れだけを意識しましょう。
競合をリサーチ
自社のサービスや商品の競合について調べます。サービス内容や使用用途など、類似するものを洗い出し、比較し分析しましょう。
具体的には、他社の強みと弱みを把握し、攻めるべきポイントを明確にします。
他社の優れているところで勝負をせず、苦手としている分野にリソースを集中することで自ずと優位に立てるでしょう。
ターゲットのニーズを分析
エンドユーザーとなるターゲットについて分析します。
そのためには、ヒアリングで担当者から入手したターゲットについての情報と齟齬がないか、さらに詳しく特定できないかなどの調査が必要です。
1.5次情報であるSNSやAmazonなどのECサイトのレビュー、Yahoo!知恵袋、競合サイトから情報を収集し、最終的にサービスや商品を利用するエンドユーザーについて理解を深めましょう。
エンドユーザーについての情報が多く集まるほど、ターゲットのニーズを詳細に分析できます。
キーワードの収集
リスティング広告のキーワードには、メインキーワードに加え、補助的な役割を持つサブキーワードも必要です。
メインキーワードだけでは対象範囲が広すぎるため、サブキーワードを付け加えて対象ユーザーを絞り込みます。
サブキーワードは、自社のサービスや商品を購入したいと考えるユーザーがよく使いそうなワードを選定しましょう。
キーワードの収集は、後述するキーワードプランナーやラッコキーワードなどのキーワード選定ツールを使用することで可能となります。
キーワードを決定
キーワード選定ツールで収集したキーワードを整理します。
自社の商品に関係のないものや、エンドユーザーの希望にそぐわないもの、ネガティブな表現のキーワードは削除しましょう。
また、根拠のない過剰な表現は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称:薬機法)」や景品表示法の違反行為に該当する可能性があるため、注意しましょう。
先程の「北海道産の有機野菜を使用した野菜ジュース」が商品として、メインキーワードを「野菜ジュース」にした例を表にしました。
リスティング広告のキーワード選定方法
ここからはキーワードの選定方法を解説します。今回紹介しているツールは無料でも使用できる、定番のツールです。
他のツールを使用する場合でも要領は同様ですので、参考にしてください。
メインキーワードを決める|キーワードプランナー
メインキーワードを決めるために、キーワードプランナーを使用します。キーワードプランナーはGoogle広告(旧Google Adwords)に出稿するユーザー向けに用意された、キーワードの調査や検索ボリュームを調べるツールです。
しかし、Google広告に出稿しなくても利用できるため、コンテンツ制作の現場などで広く使用されています。
キーワードプランナーを使用するには、グーグルアカウントに加え、Google広告への登録が必要です。今回、登録方法は割愛します。
トップページの「新しいキーワードを見つける」を選択します。
「ウェブサイトから開始」を選択。
出稿予定のURLを入力します。今回は「北海道産の有機野菜を使用した野菜ジュース」に近い商品の販売をされているサイトを入力しました。
下のチェックボックスで、調査対象がサイト全体、もしくはページのみかを選択できます。
調査結果が表示されました。広告を出す前は上画像のように、検索ボリュームの数が「10〜100」や「100〜1000」とアバウトな表示ですが、出稿後は詳細な数値が表示されます。
次に「月間平均検索ボリューム」を選択し、優先順位を入れ替えます。
上位に表示されたキーワードの中で「北海道産の有機野菜を使用した野菜ジュース」とマッチしそうなものは「野菜ジュース」と「缶ジュース」です。
ターゲットのニーズが「野菜を手軽なジュースで摂取したい」と仮定するならば、メインキーワードは検索数の多い「野菜ジュース」で良いでしょう。
掛け合わせるキーワードを選定する|ラッコーキーワード
メインキーワードが決まったら、掛け合わせるサブキーワードを選定します。
使用するツールは、ラッコキーワード(旧関連キーワードツール(仮名・β版))です。無料登録すれば、1日50回までキーワード調査が行えます。
検索窓にメインキーワードを入力します。
虫眼鏡マークを選択します。
検索結果が表示されました。キーワードを管理するスタイルに合わせて「全キーワードコピー」や「CSVダウンロード」を選択します。
抽出したデータから、キーワードの重複や商品と関連性の低いキーワード、NGキーワード、ネガティブキーワードを取り除けばサブキーワードの収集は完了です。
キーワードのマッチタイプを決める
キーワード選定の次は、指定したキーワードに対してマッチタイプの設定をします。
マッチタイプの設定とは、登録したキーワードにどのくらいの範囲をマッチさせるかを決める作業です。
マッチする範囲を誤れば、意図していないキーワードに対してリスティング広告が配信されることもあるため、慎重に選択しましょう。
マッチタイプは Google広告とYahoo広告ともに「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類。それぞれメリットとデメリットがあります。
また、以前は「絞り込み部分一致」もあり4種類でしたが、2021年に廃止されました。
部分一致
登録したキーワードに関連性の高い検索語句を含む場合、広告を表示するタイプです。類義語も含まれるため、広告配信の範囲は広く、想定外のユーザーを獲得できる可能性があります。
ただし、広告の配信先が多くなるため、多額の費用がかかることも。定期的にキーワードを見直し、関連性の低いものは除外するなど、メンテナンスが必要です。
※関連性が高い語句は適宜調整されるため、変動します。
フレーズ一致
登録したキーワードと同じ意味の検索語句を含む場合、広告が表示されます。語句が似ていても、意味が異なる場合は広告表示の対象外です。
広告主の意図と検索するユーザーの目的が一致しやすいため、費用対効果は高い傾向にあります。
リスティング広告の出稿が初めての場合は、使い勝手の良いこちらのマッチタイプから慣れていくと良いでしょう。
完全一致
登録したキーワードと完全に一致した語句や類似パターンに該当する場合、広告が表示されます。
マッチする検索語句が少ないため、費用を抑えながらも、ターゲットユーザーへピンポイントに広告を届けることが可能。
しかし、広告配信の範囲が狭く、想定外のユーザーへは訴求できないため、機会損失につながる可能性があるのがデメリットです。
除外キーワードの設定
キーワード選定の際、商品と関連性の低いキーワードやネガティブキーワードは除外しています。
それに加えリスティング広告を出稿してからも、検索クエリを分析しながら、除外キーワードの追加が必要です。除外キーワードの設定は、Google広告なら「除外キーワード」、Yahoo広告なら「対象外キーワード」に除外したいキーワードを入力します。
広告の費用対効果を上げるためにも、コンバージョンの低いキーワードやネガティブキーワードなどは適宜除外しましょう。
キーワード選定のポイントはユーザー理解
リスティング広告の主軸ともいえるのがキーワード選定です。キーワード次第で広告費用やコンバージョン率は大きく変わります。
適切なキーワードを選ぶには、ターゲットとなるエンドユーザーを理解することが重要です。ユーザーへの理解が深まれば、キーワード選定の精度は上がります。
今回解説したキーワードの選定方法や、避けるべきNGキーワードなどを参考にして、費用対効果の高いリスティング広告を出稿しましょう。
また、リスティング広告を出稿しても不必要に大量のクリックを押されてしまい、広告費が無駄に消化されてしまうことが良くあります。SpiderAFでは、不正なクリックがされていないか診断することが可能です。