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Google広告のIPアドレス除外で費用対効果を改善!設定手順から不正クリック対策まで徹底解説

Google広告のIPアドレス除外で費用対効果を改善!設定手順から不正クリック対策まで徹底解説

広告レポートを眺めながら、「このクリック、本当に成果に繋がっているのだろうか?」と疑問に感じた経験はありませんか。
コンバージョンに至らないクリックや、特定の地域からの不自然なアクセスは、大切な広告予算を浪費しているサインかもしれません。

Google広告の「IPアドレス除外」は、こうした無駄な広告費を削減し、費用対効果(ROAS)を改善するための強力な一手です。
この記事では、IPアドレス除外の基本的な設定手順はもちろん、広告運用全体の成果を最大化するための網羅的な知識まで、専門外の担当者でも分かりやすく徹底解説します。

目次

なぜ重要?Google広告でIPアドレスを除外する目的と2大メリット

そもそも、なぜ特定のIPアドレスからのアクセスをわざわざ除外する必要があるのでしょうか。
それは、広告予算という限りある資源を、本当に価値のある「見込み顧客」に集中させるためです。

IPアドレス除外は、単なる技術的な作業ではありません。
競合他社による調査目的のクリックや、自社関係者による意図しないクリック、さらにはボットによる不正なアクセスなど、成果に結びつかないクリックを未然に防ぐための重要な「防衛戦略」なのです。

メリット1:無駄な広告費を削減しROAS(費用対効果)を最大化

IPアドレス除外の最も直接的なメリットは、広告費の無駄遣いを防げることです。

コンバージョンに繋がらないクリックが1回発生するごとに、その分の広告費が消費されてしまいます。
これらの無駄なクリックを広告の表示対象から除外することで、予算は真の潜在顧客へのアプローチに集中投下されます。

結果として、クリックの質が向上し、広告費あたりの売上であるROAS(費用対効果)の劇的な改善が期待できるのです。

メリット2:正確なデータ分析でマーケティング施策の精度を向上

もう一つの見過ごせないメリットが、データ分析の精度向上です。

特にGoogleアナリティクス(GA4)と連携している場合、社内スタッフや開発関係者からのアクセスが計測データに含まれていると、レポートの数値は実態からかけ離れたものになります。

例えば、社内からのアクセスが多いと、コンバージョン率が不当に低く見え、広告施策の効果を正しく判断できなくなります。
IPアドレス除外によって「データの汚染」を防ぎ、純粋なユーザー行動に基づいた信頼性の高い分析を実現することで、より的確なマーケティング戦略を立てることが可能になります。

【5分で完了】IPアドレスの除外設定手順を画像で解説

IPアドレスの除外設定は、Google広告の管理画面から比較的簡単に行うことができます。
ここでは、誰でも迷わず設定できるよう、具体的な手順を画像付きで分かりやすく解説します。

アカウント全体で一括して除外する方法と、特定のキャンペーンのみで除外する方法がありますので、ご自身の運用状況に合わせて選択してください。

STEP1:除外したいIPアドレスを確認する方法

まず最初に、広告の表示対象から除外したいIPアドレスを特定する必要があります。
IPアドレスの確認方法はいくつかありますが、目的に応じて使い分けましょう。

確認対象 確認方法 特徴
自社や関係者のIPアドレス IPアドレス確認サイトを利用する 最も簡単。ブラウザで「IPアドレス 確認」と検索し、表示されたサイトにアクセスするだけで現在のグローバルIPアドレスが分かる。
特定の不審なアクセス元 サーバーのアクセスログを解析する 専門知識が必要だが、Webサイトにアクセスした全てのIPアドレスと日時を詳細に確認できる。
広告経由のアクセス元 アドフラウド対策ツールで分析する GA4では個別のIPアドレスは確認できません。専用ツールは広告経由の不正IPを特定し、自動で除外リストに登録する機能などを持ちます。

最も手軽なのは、「CMAN」などのIPアドレス確認サイトを利用する方法です。
社内や関係者のPCからアクセスし、表示されたIPアドレスを控えておきましょう。

STEP2:アカウント単位・キャンペーン単位での設定方法

除外したいIPアドレスが特定できたら、いよいよGoogle広告の管理画面で設定を行います。

アカウント単位で設定する場合(全キャンペーンに適用)

社内のIPアドレスなど、すべてのキャンペーンで共通して除外したい場合は、アカウント単位での設定が効率的です。

  • Google広告の管理画面にログインし、画面右上の「管理者」(スパナのアイコン)をクリックします。
  • メニューから「アカウント設定」を選択します。


  • 左側のメニューから「IPアドレスの除外」をクリックします。
  • 青い鉛筆アイコンをクリックし、表示された入力欄に、STEP1で確認したIPアドレスを1行に1つずつ入力します。
  • 最後に「保存」をクリックして完了です。

キャンペーン単位で設定する場合(特定のキャンペーンのみ適用)

特定のキャンペーンにおいて、競合他社などからのアクセスを個別で除外したい場合に利用します。

  1. Google広告の管理画面で、左側のメニューから対象のキャンペーンを選択します。
  2. 「設定」タブをクリックします。
  3. 「その他の設定」を展開し、「IPアドレスの除外」をクリックします。
  4. 入力欄に除外したいIPアドレスを入力し、「保存」をクリックして完了です。

設定前に知っておきたい注意点|P-MAXキャンペーンの制限と対策

IPアドレス除外は非常に有効な機能ですが、万能ではありません。
特に、運用の自動化が進むP-MAXキャンペーンなどでは、いくつかの仕様や制限を理解しておくことが重要です。
ここでは、実運用でつまずきがちな注意点と、その対策について解説します。

固定IPと動的IPの違いとリスク

IPアドレスには、常に同じ番号が割り当てられる「固定IP(静的IP)」と、接続するたびに番号が変わる可能性がある「動的IP」の2種類があります。

企業の多くは固定IPを利用していますが、個人のインターネット回線やスマートフォンのテザリングなどは動的IPであることがほとんどです。
そのため、動的IPを除外リストに追加しても、相手が再接続するとIPアドレスが変わり、再び広告が表示されてしまう可能性があります。

このリスクを完全に排除するのは困難ですが、特定のプロバイダからのアクセスを広範囲でブロックする「IPアドレスの範囲指定」が有効な場合もあります。

500件の上限を超えて除外するには?

Google広告では、除外できるIPアドレスは最大500件までという制限があります。

ほとんどの場合、この上限に達することはありません。
しかし、大規模な不正クリック攻撃を受けた場合など、大量のIPアドレスを除外する必要があるケースでは、この制限が課題となります。

IP除外だけでは不十分!広告の無駄をなくす合わせ技

IPアドレスの除外は、無駄なクリックを防ぐための強力な手段ですが、それだけが全てではありません。
Google広告には、他にも広告配信の精度を高めるための様々な除外機能が用意されています。

これらを組み合わせることで、より強固で効率的な広告運用体制を構築することができます。
ここでは、IPアドレス除外と併用したい、効果的な「合わせ技」を紹介します。

除外設定の種類 目的と効果
除外キーワード 関連性の低い検索語句での広告表示を防ぎ、無駄なクリックを削減する。
プレースメント除外 ブランドイメージに合わないサイトやアプリへの広告表示を防ぐ。
除外地域 サービス提供エリア外の地域への広告表示を停止し、広告費の浪費を防ぐ。
検索パートナー除外 Google検索以外の提携サイトへの配信を停止し、広告の品質を管理する。

除外キーワード・プレースメントで関連性の低いユーザーをブロック

除外キーワードは、広告運用における最も基本的な無駄削減策です。
「無料」「中古」といったコンバージョンに繋がりにくいキーワードや、自社の商品・サービスとは無関係なキーワードを除外リストに追加することで、広告の関連性を高め、クリックの質を向上させます。
特にP-MAXキャンペーンでは、除外キーワードの上限が10,000件に拡大され、より精緻なコントロールが可能になりました。

プレースメント除外は、ディスプレイ広告や動画広告が表示されるウェブサイトやYouTubeチャンネル、アプリなどを指定して除外する機能です。
ブランドイメージを損なう可能性のあるサイトや、広告効果の低いと判断した掲載面を除外することで、広告予算を効果的な場所に集中させることができます。

地域・検索パートナー除外で配信エリアを最適化

除外地域設定は、店舗ビジネスや配送エリアが限定されているサービスにとって不可欠です。
物理的にサービスを提供できない地域を広告の配信対象から外すことで、機会損失に繋がらない無駄な広告表示を根本から断つことができます。

また、検索パートナー除外も重要な設定です。
2024年3月以降、この設定がアカウント単位で可能になり、P-MAXキャンペーンにも適用されるようになりました。
これにより、Google検索以外の提携サイト(検索パートナー)への広告配信を一括で停止でき、広告が表示される場所をより厳密に管理したい場合に有効です。

【関連記事】検索パートナーにおけるアドフラウドの実態と効果的な対策方法を徹底解説

巧妙化する不正クリックには専門ツール「Spider AF」が有効

手動でのIPアドレス除外や各種除外設定は有効ですが、巧妙化・自動化する不正クリック(アドフラウド)の前では限界があります。
動的IPアドレスを次々と変えてくる攻撃や、大規模なボットネットワークを利用した攻撃を手動で追い続けるのは現実的ではありません

このような高度な脅威に対しては、AIを活用した専門的な不正対策ツールの導入が根本的な解決策となります。
Spider AF」は、広告の不正クリックからウェブサイトの脆弱性までを包括的に保護する「マーケティングセキュリティ」という新しい概念を提唱するプラットフォームです。

Spider AFの核心は、AIとビッグデータ解析による高精度な不正検知能力にあります。
過去12ヶ月で4億9千万クリック以上という膨大なデータをAIモデルに学習させ、人間には判別困難な不正の兆候をリアルタイムで検知・ブロックします。
これにより、手動では追いつけない速度と精度で広告予算を保護し、ROASを最大化することが可能になります

さらに、Spider AFはGDPRや日本の個人情報保護法など、国際的なデータ保護規制に準拠した厳格なデータ管理体制を構築しています。
日系企業ならではの手厚い国内サポートも提供しており、言語や時差のストレスなく、安心して導入できる点も大きな魅力です。

【関連記事】アドフラウドとは?広告詐欺・不正広告の種類や仕組み、対策の成功事例を解説

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Google広告のIPアドレス除外に関するよくある質問

最後に、IPアドレスの除外設定に関して、Web担当者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1. 不正クリックで発生した広告費は返金してもらえますか?

A. Googleは独自のシステムで無効なクリックを検知しており、無効と判断されたクリックについては自動的に請求から除外、またはクレジットとして返金される場合があります。ただし、全ての不正クリックが検知されるわけではありません。

Q2. Yahoo!広告でも同じようにIPアドレスを除外できますか?

A. いいえ、Yahoo!広告ではIPアドレス除外ができません。ただし、オーディエンスリストの除外は可能なので、怪しいトラフィックのオーディエンスリストを用意し、配信から除外できます。SpiderAFを活用すれば、自動で不正トラフィックのオーディエンスリストを作成し、配信から除外できます

Q3. 除外リストは一度設定すれば、ずっとそのままで良いですか?

A. いいえ、定期的な見直しをおすすめします。特に競合他社からのアクセスは、企業の移転やネットワーク環境の変更でIPアドレスが変わる可能性があります。また、動的IPアドレスは定期的に変動するため、不審なアクセスの傾向を監視し、必要に応じて除外リストを更新することで、常に最適な状態を保つことができます。

まとめ:IPアドレス除外を使いこなし、広告運用の精度を高めよう

Google広告におけるIPアドレス除外は、単なるコスト削減のテクニックではありません。
それは、広告予算を最適化し、正確なデータに基づいた意思決定を可能にし、そして不正行為から自社のビジネスを守るための、デジタルマーケティングにおける基本的な「衛生管理」です。

この記事で紹介した手順に沿って、まずは自社のIPアドレスを除外設定することから始めてみてください。
そして、除外キーワードやプレースメント除外といった他の機能と組み合わせ、必要であれば「Spider AF」のような専門ツールの導入も視野に入れることで、広告運用の精度は飛躍的に向上するはずです。

変化の速いデジタル広告の世界で継続的に成果を出すためには、こうした地道な改善の積み重ねが不可欠です。

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今回のSpider AFでの調査では2024年の1年間で解析したウェブ広告の41億件以上のクリックのうち、約5.12%にあたる2億1,241万クリックがアドフラウドであることが判明。これはおよそ106億2,066万円(1クリックあたり50円で計算)規模のアドフラウド被害があったと推測しております

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