Bot対策でセキュリティ強化!防げる攻撃や対策手法を解説

昨今インターネットの普及と技術の進歩で利便性が大きく向上した反面、セキュリティ面では課題も増えてきました。その中でも注目する必要がある課題は、悪いBotによる攻撃です。Botはインターネット上の作業を自動化してくれるものの、悪用されると大きなセキュリティリスクも引き起こしかねないので、Bot対策が欠かせません。
本記事では、Bot対策で防ぎたい攻撃や主な手法などを解説します。
Bot対策が必要なBotとは?

Botは、端末を操作しているユーザーとは別の操作者の指示を受け、情報収集や端末操作など特定の動作を自動で行うプログラムです。感染や活動に気づきにくいケースも多いものの、悪用されると情報漏えいや意図せぬ動作などトラブルの原因になりかねません。ここでは、Botの基礎知識について3つ解説します。
それでは、1つずつ解説します。
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Botの感染経路
Botの感染経路として、代表的なものを6つまとめました。Botの被害者になることだけでなく、意図せず加害者になることを防ぐためにも覚えておきましょう。
Bot感染の調べ方
Bot感染の調べ方は、以下3つに大別されます。
良いBot・悪いBot
ここでは、Botの種類について2つ解説します。
- 良いBot
- 悪いBot
それでは、1つずつ解説します。
良いBot
良いBotは人々の生活やビジネスに役立つよう開発されているため、Bot対策の対象外です。以下に主な例を表にまとめました。
悪いBot
悪いBotは、Botの特性を悪用し、不正アクセスや個人情報の不正取得などに活用されます。このような「悪いBot」が、Bot対策の対象です。
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Bot対策で防ぎたい攻撃6つ

ここでは、Bot対策で防ぎたい攻撃について6つ解説します。
それでは、1つずつ解説します。
1.IDパスワードリスト型攻撃
IDとパスワードのリストを不正取得し、それによってアクセスできた場合にアカウントを乗っ取る手法です。
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2.フィッシング
個人情報を盗み出す目的で作られたフィッシングサイトにユーザーをアクセスさせることで、そこに入力された個人情報を盗み出す手法です。SMSを傍受することで、ワンタイムパスワードの不正取得が行われるケースもあります。
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3.ギフトカードクラッキング
ギフトカード番号を試行錯誤的に試し、残高が残っているギフトカードから残高を狙う手法がギフトカードクラッキングです。
4.スクレイピング
スクレイピングは、対象のWebサイトから必要な情報を抽出して取得する手法です。Botを用いることで、速やかにスクレイピングを行えます。
5.Application DDOS Attack
一度に大量のデータを送りつけることで、システムへの負荷を増大させる攻撃です。DDOSでは、DOSと違い送信元を不特定多数にすることで配信元をわかりにくくします。これもBotで実行可能です。
6.買占め行為
Botを使い、ECサイトなどで大量の商品購入リクエストを送る攻撃です。まとまった時間にリクエストを一気に送ると、システムへの負荷を増大させられます。
Bot対策で防止できるトラブル

Bot対策を行うことで、以下のトラブルを防止できます。
ただ、広告プラットフォームなど他組織が直接管理しているチャネルであれば、自社ではBot対策は対象範囲外です。Bot対策以外にも、より広範な対策に取り組みましょう。
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Bot対策の手法6つ

ここでは、Bot対策の手法について6つ解説します。
それでは、1つずつ解説します。
1.パスワードの複雑化
Botは、さまざまな文字列を組み合わせて試行錯誤的にパスワードを特定することが得意です。そのため、パスワードを複雑化すれば、パスワードが特定されるリスクを軽減できます。
以下のポイントに注意し、パスワードが単純ですぐに特定されないようにしましょう。
2.多要素認証システム
以下に示す認証の3要素を組み合わせると、セキュリティを高めやすいとされています。
知識情報だけでなく、本人のみが保有する生体情報などを用いると、よりセキュリティを強固にできるでしょう。
3.CAPTCHA
Botでは、歪みがある文字や画像の判別は困難です。この特性を利用してCAPTCHAでは、Botでは判別しづらいものの人間であれば判別できる可能性が高い画像や文字情報などを活用します。
これらを用いた質問で、Botによる操作か人間による操作か判断する仕組みです。
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4.HTTPヘッダ
Linuxの標準コマンドなどでHTTPSリクエストを行うと、User-Agentヘッダに使用したライブラリの文字列やバージョンが記載されます。ブラウザでアクセスしてもUser-Agentヘッダに情報が記載されるため、この情報から人による操作かBotによる操作か判断可能です。
5.JavaScript/Cookie
単純なBotでは、JavaScriptを実行することやCookieを付与したリクエストを実行することは不可能です。このことを利用して、JavaScriptの実行やCookieを付与したリクエストが可能か判定することで、Botの有無を見分けます。
6.フィンガープリント
フィンガープリントは、アクセスしたユーザーのデバイスやブラウザ情報などを通じて、ユーザーを特定する数値です。アクセスしたユーザーのパターンを識別し、人の操作かBotの操作か判別します。
まとめ
Botは、端末を操作しているユーザーとは別の操作者の指示を受け、情報収集や端末操作など特定の動作を自動で行うプログラムです。スパムやアドフラウドなどに悪用されるケースもあり、その場合にはBot対策が必要です。
Bot対策を十分行うことで、フィッシングやスクレイピングなどのリスクを減らせます。また、対策にはパスワードの複雑化やCAPTCHAなどもありますが、SpiderAFなどのBot対策ツールを活用することもおすすめです。